フルカウルとネイキッドどう違う?

見た目以外の違いはどこにある?

フルカウルとネイキッドの違いと言えば、まず見た目でわかる「カウルの有無」ですが、この見た目の違いだけでなく、カウルの有無がもたらす走行時の状況や乗り心地などにも違いが見られます。
最大の違いは、フルカウルのバイクの方が空気抵抗が少ない点です。
まさにこのためにカウルは装着されているわけで、ロングツーリングなど長時間の走行では風がもたらす疲労を軽減してくれる非常に大きなメリットをもたらします。

さらに風だけでなく雨と雪を防ぐ効果もあるため、悪天候の際に走行した際に体が濡れにくく、冷えにくいメリットもあります。
これも走行中の疲労や体調と密接に関わってくる部分だけに、見逃せません。
そしてもうひとつ、これは主に夏場の話ですが、虫が体のまわりにつきまとうのを防ぐ効果もあります。

こうしてみるとフルカウルの方がツーリングに適しているように見えますが、ネイキッドの方が優れている面もあります。
まずメンテナンスをしやすい点、カウルを外す必要がないためより簡単にメンテナンスをすることができます。
また、転倒してしまった際には真っ先にカウルが破損することも多いため、ネイキッドの方が修理費用を安く済ませられる傾向があります。

あとやはり車体の重量が軽くなる分、軽快な乗り心地を味わえます。
フルカウルは風雨を遮るメリットに対して、ネイキッドは風を感じて風景との一体感を味わえるメリットを備えているとも言えそうです。

カウル付きのバイクは初心者に乗りづらいかも

この両者の違いに関してはもうひとつ、初心者にとってどちらが乗りやすいかについてもチェックしておく必要がありそうです。
一般的には、フルカウルよりもネイキッドの方が初心者には乗りやすいと言われています。

カウルのおかげで風雨から体を守ることができる一方で、視界が妨げられてしまい、路面状態に不安を感じながら走行することになります。
しかもカウルとの位置関係からフルカウルはハンドルの位置が低く、走行時に前傾姿勢になりがちです。
風の抵抗による体力の消耗が少ない一方で、前傾姿勢を維持するために体力を消耗してしまう面もあります。
ネイキッドはフルカウルよりもアップライトな姿勢で運転できるので、ライディングポジションの面で体力を消耗しにくいのです。

最終的には好みで決めることに

このようにフルカウル、ネイキッドともにメリット・デメリットがあるので、どちらがよいとは一概には言えません。
最終的には、好みに合わせて決めることになるでしょう。

例えば見た目の違いに関しても、フルカウルをスポーティーでかっこいいと感じる人もいれば、ネイキッドはスタイリッシュでエッジが効いていてかっこいいと感じる人もいます。
姿勢と風のどちらで体力を消耗するかに関しても、ひとりひとりの向き・不向きと好みの両方が判断基準となるでしょう。