ここ数年のブームになっているオールドルックモデルの特徴
バイクのジャンルやタイプはファッションと同じように一定の周期で繰り返される流行があります。
そんなブームの一つとしてここ数年急激に注目されるようになっているのが「オールドルック」です。
オールドルックは別名「ネオクラシック」とも言われており、一般的には過去に存在した名車のデザインを現代に復活させたモデルのことを指しています。
なぜここ最近になって急激にオールドルックが注目されるようになったかというと、ここ10年ほどの間に世界的にバイクや自動車の排ガス規制が厳格化されたことにより、かつてロングセラーモデルとして人気であった名車が次々と姿を消すことになったからです。
日本においても平成28年の排ガス規制により、各メーカーの筆頭車種と言ってもよいほどに有名であったモデルの大半が市場から消えることになっています。
しかしバイクのデザインは時代を越えて素晴らしいものであり、また古き良きモータースポーツ全盛期を彷彿とさせるものであることから、当時のデザインを現代の規制や装備に適した形で復刻させて欲しいというユーザーの声が大きくなってきました。
そうした流れから生まれたのが「オールドルック」というジャンルで、そのように分類される車種の大半は過去に存在した何らかのモデルを下敷きに作られています。
各メーカーも名車の復刻版として製造することにかなりこだわりを持っており、実際の仕様は最先端のシステムを導入しつつ、外観はまるで数十年前に存在していたモデルそのものであるかのように作られています。
かつて存在していた名車を知っている人だけでなく、最近初めてバイクの免許を取得した若いライダーからもレトロな雰囲気は人気があり今や世代を越えて支持されるタイプと言えます。
オールドルックとして復刻された人気車種
実際にオールドルックとして作られた人気車種としてはまず2017年に東京モーターショーで発表されたKAWASAKIのZ900RSがあります。
こちらはKAWASAKIのバイクの系譜の起源でもある「Z1」をインスパイアして作られたモデルで、当時のデザインそのままのレトロな雰囲気の漂う名車として蘇っています。
もう一つクラシックバイクの代表とも言えるのがYAMAHAのSR400で、こちらは一旦生産中止となったネイキッドバイクをモデルチェンジにより復刻させたものです。
このSR400はYAMAHAの人気車種であったものの排ガス規制により2008年に一旦生産終了し2009年に復活、そして2017年に再び生産終了になったものが2018年に復活するという不死鳥のようなモデルです。
幾度も生産中止になりつつも、クラシカルな外観はほぼ変化させない形で復活をしており、フラットなシートと安定的な重心を持つネイキッドバイクとして人気となっています。