ヤマハSR400

ヤマハSR400の特徴

ヤマハSR400はシンプルさと豊富なカスタムにより、熱狂的なファンが多いバイクです。
単気筒でスリムなシルエットとネイキッドバイク特有のスッキリとしたフォルムが、男女問わず人気の1台になっています。
これといって突き抜けた性能はないけれどそれ故にどんな人にも合うバイクというのが特徴です。

ヤマハSR400の最大の特徴としてセルモーターがなく、キックスタートのみというところです。
今のバイクの多くはスイッチを押すだけでセルが回り、エンジンは用意につきます。
しかし、ヤマハSR400は当初からキックスタートのみを貫き通しています。
ここが最大の難点でもあり、これぞヤマハSR400という特徴でもあるのです。

セルモーターがない分エンジン周りはスッキリしていて、この機能美だけは他のバイクでは真似できない仕様になっています。
時代が変わって手軽さを求めても、ここだけは譲れないと流れに左右されなかった誇り高きバイクです。

遅れてきたブーム

ヤマハSR400は1978年の3月に全く新しいストリートモデルとしてデビューしたバイクです。
1980年代のバイクの特徴はとにかくハイパフォーマンス、馬力がある、スピードが出るという機能重視な面がありました。
そんな中で登場したヤマハSR400はあまり目立たない、スタンダードな見た目過ぎて当時でも古臭いという印象でのデビューでした。

しかし、速さを求めたレーサーレプリカのブームが終わり、1990年代にヤマハSR400のブームが訪れます。
ストリートカスタムというジャンルが生まれたことと、ミドルクラスのネイキッドモデルという時代を先取りしていたことが爆発的人気のきっかけです。

2000年代には厳しい排ガス規制がかけられるようになりましたが、そのたびに改良を加え、長く長く生きながらえてきたモデルです。
キャブレターからインジェクションに変更したり、アイデンティティのひとつであるドラムブレーキを変更したりしましたが、キックスタートという個性だけは変わりませんでした。

ファイナルエディション登場後も愛され続けるバイク

2021年3月15日にSR400ファイナルエディションの販売で、ヤマハSR400は43年の長い歴史に幕を下ろします。
排ガス規制に幾度も立ち向かったモデルですが、令和2年規制には対応することなく製造終了となりました。

製造終了となりましたが、中古車やカスタムパーツは今だ根強い人気です。
程よい性能で楽しみ方の幅が広い、ヤマハSR400ライダーにとっての1つの文化となるほどに昇華されたのです。
これからバイクに乗りたいと思う人も、ヤマハSR400の機能美に惹かれる人は出てくるでしょう。

ヤマハSR400のスペック

ヤマハSR400のスペックは、全長2085mm×全幅750mm×全高1110mm、シート高は790mm、車両重量は175kgという内容になっています。
タイヤサイズは前後共に18インチと安定した走りができる大きさです。

単気筒特有の振動とエンストをしたときの対応を考えると、長距離のツーリングというよりは街乗りでトコトコと走るのに向いている1台です。
カスタムパーツが豊富なので、自分だけのヤマハSR400となるように愛を注げるバイクになるでしょう。

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